いつのまにか、奴に代わるかのように…、
お隣りには、阪本くんがおるようになった。
毎日ではないけど、彼が迎えに来た時には一緒に帰るよーになったし、
時折、授業の合間やお昼などをご一緒したり…。
それはそれで、楽しかった。
めっちゃ楽しいし、幸せやなぁって、癒されるねんけど………。
「…………。…男っちゅーのは皆さんあーゆーもんなんスかね…?」
それ故に、新たな悩みも……
勃発。
「………。それ、どういうこと?」
困った時の……
ひいちゃん様。
珍しく学食に誘い出しては……、早速、胸の内を明かす。
「なんか…優しいねん。」
「……。好きなコにはみんな優しくなるモンやで?」
「そうかもだけど…、例え私がどんな粗相をしても…、にこにこわろてな、『大丈夫?』とか『かわええなぁ』とか、それで済まされんねん。」
「……のろけたいなら他あたろーか?」
「……ちゃうねん!ただ、なんちゅーか……、ええんかなあって。」
「…………。」
「阪本くんて、割とかっこいいやろ?」
「………。……まあね?」
「私なんて経験値ゼロの狂犬女やろ?」
「……。まあ…。」
「こんなん彼女でええんかなー…って。そもそも人に避けられとった私がいきなりペタペタスキンシップを図られると…何だか痒くなるねん。ハードルが高いっちゅーか……。疲れるっちゅーか……。」
「………。ど、どんな激しいスキンシップとってんねん……。」
ひいちゃんは目を…まんまる~くしている。
「…………。いきなし手、繋いだり……。」
「…あとは?」
「………。頭撫でられたり……」
「あとはあとは?」
「………。キス……」
「…したのっ?」
「しないわ!でも…されそうになって……」」
「なって………?」
「怖いから張り倒した。」
「………は?」
「だって!展開早いねん!」
「ですが、彼氏やん?」
「そ~だけど……」
「好きなんやろ?」
「……そうだけど……!」
「なら……、何しとんねんっっ!」
「…………??!」
「拒否られたらなあ、傷つくやろ!」


