「……日向さん、元気出しー?」
クレープを頬張りながら…、
千波ちゃんが、優しく肩をさする。
「小夏でえーで、千波ちゃん……。」
約束のクレープ屋さんの前。
千波ちゃんと、アキラと、それから…私と。3人ベンチに座って…
もしゃもしゃと食べる。
「私かて謝るつもりやってん…。そやけどな、あいつも、なんや私もエライイラついて…しゃーないねん……。」
目の前には、大好きな…チョコバナナクレープ。
「……バナナ………。」
ぼわんと…
由良の顔が浮かぶ。
「うっ………。」
じわりと…
涙が込み上げてきた。
「わけわからん。……くやしー………。」
「小夏……。バナナで由良くん思い出すのは失礼やろ。」
アキラのごもっともな発言にも、
「仕方ないよ、めっちゃ仲良かったねんから…。」
千波ちゃんの訳わからん励ましにも、上手く返事を返すことができず。
「由良のあほ~う……!」
取りあえず、
うお~んと……、
負け犬の遠吠えをする他……なかった。


