ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)







あの、キーキーやかましい声。




お猿さんやんか。


それに…、そいつを引きずってこっちにやって来るのは……。



可憐な…乙女。




「……ひいちゃん?」


「え?」



阪本くんも、くるりと後ろへと…振り返る。





なんや、ひいちゃん。由良取っ捕まえて…、サルまわしの練習か?









「だいたい何で俺が謝らんとアカンのや!」



「知らんけど…、アキラからメールきてん。こーゆー時は、男から謝った方が丸くおさまるんやで?」



ずるずる……


ずるずる…………。



二人は、次第に……近づいて来る。





「ウチのこなっちゃん傷つける奴は……許さへん!……て、…あ。こなっちゃん。」




「…………。」




そこでようやく…、ひいちゃんがウチらの存在に気づく。




「日向?」



由良もまた…、顔を上げるけれど。




私と目が合って、



それから……、お隣りの阪本くんをちらりと見て。




それから…、また、私を見ると。







「…ケッ……。……発情期の犬か。」




最っっ低な言葉を…吐き捨てる。






こんの……おサルさんがぁああ~!!!


先日山中にて発情しとったのは……



お前の方やろ~ッ!?




↑↑

って、思ったけれど。




阪本くんの手前……、



言えん。




「なんや、由良。ヤキモチか。」




阪本くんは阪本くんで、的外れな回答しとるし!






「まあ構うことあらへんな。ええわ、用あるなら仕方ないな。せやけど明日からは…帰れる時は一緒に帰ろうな?」



「……………??!」




阪本くんが、ぽんぽんっと私の頭を撫でるのを。




ひいちゃんも、由良も……



ぽかぁ~んとして見とる。






「…エ…?阪本…くん?」



あんさん、こーいうキャラでしたっけ?








「…………謝らへんで……。ゼッタイ謝らへん!」




由良は、ますますプンスカするし。



「わあ~、ホンマや、ヤキモチやいとる~♪」



ひいちゃんは余計な冷やかし入れるし。





私は……



ただウットリしてるし。







なんちゅー………はちゃめちゃな状況やねん……。