HRが終わると同時に、鞄を持った由良が…立ち上がった。
「!ゆ……」
「日向さん!」
タイミング良く…、千波ちゃんに声を掛けられる。
「ん。どしたー?」
その間に…、奴はちゃっちゃっと教室を出て行ってしまう。
「帰り駅前のクレープ屋さんに行くんやけど…、良かったら、日向さんも…行かへん?遠藤さんも行くんやけど……。」
「…………!!!」
な、なんと……
クラスメイトからの…お初のお誘い…!!
「………行く行く~!」
めっちゃ……嬉しいやん!!
「……あ。でも……。」
私はちらっと…空っぽになった隣りの席に、目をやる。
「……。ちょい用あるから…後で追い掛けるし。先行ってて~!」
「うん。わかった~。」
私はふうっとひと息ついて。
いざ……
廊下へと、飛び出す!!
そや、どーんと行かな!!
「……あ。日向さん。」
「…エ。」
廊下に足を踏み出した第一歩。
そちらで遭遇したのは……
なんと……、
阪本くん…!!
「…えっと……、何か急いでる…みたいやな。」
「……え。い、いや~…。そうでもないねんけど……。」
いやいや……、間が悪いで…。
「…………。」
「……?どうしたん?」
「……。折角やし、一緒に帰らんかなー思て。」
「…………!!!」
リンゴ~ン……♪
幸せの鐘……、再来や…。
「…はっ、そやけど今日は用が……。」
今日は忙しいねんな。
由良に謝りたいし、
クレープ食べに行きたいし、
けど…阪本くんとも帰りたいし。
…………。
しっかりせい、私。
先にちゃんとすることせんと…女が廃るわ。
「……阪本くん。嬉しいけどな、私………。…………ん?」
ウチが話てる廊下の、ずっとずう~っと奥の方から。
なんや……?
騒がしい声が…聞こえてくる。
「……なんやねん、俺はもう帰るっちゅーてるやろ!」
「うるさいわ、逃げんのは男ちゃうで。」


