ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)










しばらく走って、ウォークラリーのコースへと差し掛かった辺りで……。




阪本くんは、ようやく足を止めた。




「……あせった…。いきなり日向さん来るから。」



息を切らしながら、阪本くんは笑う。




「…ごめん、タイミング悪かったねんな?」



「ちゃうちゃう、衝撃のあまり…自分でも訳わからんことしてもーた。」




「…………。」





「やっぱダメだったんかなーて思てたから…。」




「…………。」



「来てくれて、ありがとー。」




「…………。い、いえ…。」






阪本くんの笑った顔は…、



穏やかで、ホッと人に癒しを与えてくれる……、



そんな優しい笑顔。







「ここで、ウォークラリースタートした時…、俺、ずっと日向さん見とったんやで。」



「ええっ…。」




「クラス違うし、なかなかチャンスないから…隙あらばなんとか上手いこと話しかけよう思て。」



「……チャンス…?」




阪本くん、何を言うてはるの?


それじゃあ私と全く同じやん。




「したら……、あいつ、由良が機転きかせてくれたやろ?さすがに…驚いてん。」



「…………。」



「アイツは…てっきりライバルやと思てたから。」



「…………?」




「俺が、何で日向さん好きんなったかわかる?」




「…………!へ……?『好き』…?!」



「うん。」



「………な、なんで!」



好きって……、


どういう好きやねん?




「おもろかったんよ。よう由良と一緒におったやろ?すげー楽しそうに笑ってんの。ええ顔してん。」



「…………。」



「最初はな、小林の男にちょっかい出しとる嫌な女かと思てたんやけど…、一気に覆された。見てて飽きない、可愛い、そんで……、ああ、好きなんやなって…気づいてん。」



「…………。」



「…言ってる意味わかる?かなしーことにな、俺が自分の気持ち自覚したのと、日向さんの気持ちに気づいたのが…同時だってこと。」


「……ん?」



私の…


気持ち?




「日向さんは…、由良が好きなんやろ?」




「…………。……はあ…?!」



「ええって、隠さんでも。ちゅーても、向こうは全く気づいてもなさそうやけどな?」




「……ご、誤解やで…ソレ。」