彼は髪をくしゃっとかきあげて。 「ここじゃあゆっくり話せそうにないし……、」 また、私の手を握る。 じんわりと、汗ばむ…熱い手。 「ここから…、抜けよっか。」 「………は…、はい…。」 それから…一気に掻っ攫うかのようにして…走り出す。 途中で、アキラ達と…すれ違った。 アキラはにんまりと笑って……、 私にピースサインを送る。 私は返す余裕もなく、阪本くんのペースについて行くのに…… 必死だった。