「……アンタらのことばとか気にしててウッカリ忘れとったけど…、実は私も誘われとったんやねんな、阪本くんに。」
「……えっ…。」
「だから…、こういう所見られて、誤解されたくないねん。」
「……………。」
「……けど……、いい思い出やな。今日一日…めっちゃ楽しかってん。今だって……、キャンプファイヤーには敵わんかもしれんけど、綺麗な灯見れたしな。……由良がおらんかったら、全部…なかったことや。だから……ありがとな?」
「……………。」
「………ほな…、行きましょかー…?」
「………日向ぁ…。」
「……何?」
「寂しいやん、そんなの。」
「…………。」
「さみしい。」
「……あほ言うてないで…行くで。」
「…行ったらお前は…アイツんとこに行くんやろ。」
「そや。」
「……そうか。上手いこといくとええな。」
「……。アンタもな?」
二人揃って立ち上がって、
手を…ぎゅっと握り合う。
「「健闘を祈る!!」」
それから。
由良が先に行くのを見守って……、
私も、また…歩き出した。
由良の手は、ごつごつした大きな手。
私の手を…すっぽり包んでしまうくらいに。
自分の手を、じっと見つめて……。
それから、ぎゅううっと拳を握る。
胸が…ちくちくと痛かった。
「蛍マジック…、か。」


