ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)






「……。びっくり。簡単に捕まえてもうた。」



「ホンマかいな…。」



「ホンマや、見てみい?」



小さな覗き穴を作って、先に…覗いて見る。




「………綺麗やなあ…。」



「こら、早う見せろや。」



由良が腕を引っ張って。



私は強制的に…ベンチに座らされる。



「……うお~……、ヤバいなあ、確かに。」




蛍の光が、小さく由良の顔を映し出す。




少年みたいに…屈託ない笑顔。




元々顔立ちはええねんな。



夏の夜だから……気分がハイになっとるんかな。




……奴が…



綺麗に見えるわ。





「「………………。」」






あれ………?



おかしない?この、シチュエーション。






真っ暗な夏の夜。



二人きりでベンチに肩を並べる……男と女。



しかも。




手……、握られとるし。
(蛍を見てたからだけど。)






「…………。由良…。」



「ん?」



「何でこっち見てんの?」




「…………。…いや、何か頭おかしなってるんかな。お前が妙にかわいく見えてん。」



「…………!」



「蛍マジックやな。」



「………そやな…。」



なんや、アンタもそんな変な風に感じとったんか。


妙なトコ、気ィ合うなあ……?




私がそっと手を開くと。


蛍はまた……夜空へと飛び立つ。








「………由良。」



「ん~?」



「早う香澄ちゃんとこ行ってやり?」



「……うん。わかっとる。」



「……仲直りせえよ?私も今度から…気ぃつけるし。アンタが誤解受けないようにな。」




「………。今更…、何を気をつけんの?」



「……こうしてな、2人きりになるのは…マズイと思うんよ。」



「……思わん。」



「所詮オスとメスやで。いくらトモダチですー言うたって、通じない人もおんねん。」



「………。」




「私な、アンタと一緒におるの案外楽しかったで?」



「…………。」



「おかげでトモダチもできたしな。」



「…………。……何の…前置き?」




「せやから…、『由良離れ』。」




「……なんじゃそりゃ…。」



「余りにも、近くにおるから…お互いに、アカンねん。」



「…………。」