ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)






「男のくせに、ちっちゃいことでうじうじうじうじ……。」



「…………。…あの~、もしもし?」



「……うじ虫かいな!」



「………。誰がうじ虫やねん。ハナシ聞けや。」



ズビシっと……


チョップが突き刺さる。




「……学校で借りてた部屋で寝とっただけや。」




「………。……は?」



「半日、働き過ぎて疲れとったんやなぁ、気づいたら爆睡して…この時間やねん。」



「…………。」



「キャンプファイヤー、始まってもうたか?」




……………。



「………なんやねん!も~………。」



この状況下で爆睡やったなんて、どんだけ呑気やねんな。呆れて…言葉も出んわ。





「……お前、もしかして…心配して来てくれたんか?」



「……違うわ。」




「ええやん、照れんでも。」



「違うっちゅーねん。ただ…、自分のせいでこうなったなら、心証悪いやろ?折角の楽しい一日も台なしになるし……。」




「………。だから…、お前は悪くない言うてるやろ。しょーもないなあ…。」




由良は近くのベンチに、よいしょ、と腰かけて…。




私に、手招きする。



「……お前は…、ホンマええやっちゃ。」



顔はよく見えんけど、



声の抑揚で……判る。




いつもの…由良に戻ってる。





「………。そやろ?遅いねん、今頃気づくなんて……。」




隣りに座ったら、きっと今のマヌケな顔を見られてしまうから……。私はあえて、立ったまま。





「……あ……、点灯式、始まったんやな……。」




遠方に、ぼんやりと火の光が……揺らめいて見える。




「…間に合わんかったか。由良、アンタのせいやで。」



「………。…悪かったなあ……。」




「「……………。」」









二人、ぼんやりと……



夜風にあたる。






そよそよと、涼しい風がそよいで……



それに共鳴するかのように、木々が…、ざわざわと音を奏でていた。








「……あ……!」




目の前に。



ふわりと……小さな灯。





「……蛍…!」



「うそ、どこどこ?」




私はそうっと両手でそれを…捕まえる。