ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)







「………どこ行っとるんやろ…?」



手始めに、昼間訪れた炊飯場へと…やって来る。




「……おらんな。」





次は………、


トイレや休憩場として利用した施設の中を…探し回る。






「…………。え、偉い静かやなあ…。宿泊客はおらんのか。」



ひた、


ひた………






自分の足音だけが…


返ってくる。







「こんな所にひとりでおったら…違うのに連れてかれるわ!」




耐え切れなくなって……



退去。







「え~……、何か怖なってきたやん。」



外へ出ると。



ぽつんとひとつだけついてる街灯に……



大きな蛾や、奇妙な虫が集まっていた。






「…………。……あかん……、無理や。」





歩く先は…真っ暗。



懐中電灯でも借りてくるべきだったと……


既に、後悔し始めていた。





『日向に関係ないやろ』





頭の中で…由良の言葉が駆け巡る。




「………。せやなぁ…、ウチには全く関係ないねん。」




確かに、あいつの恋に私は関係あらへんねん。


けどな、あんたは…ちゃうかったろ?



今日この日だって、ずっと…応援してくれとったやん、私の…恋を。




だから、せめてもの…恩返しや。



香澄ちゃんの誤解を解かんと、スッキリせえへんやん。



楽しくいこーて、言うたしな。




それだけや。









「由良~……。………ゆ~らぁ~………。」





途端に。




ぽんっ、と…、


肩に何かが触れる。





「ひぃいっ……!!!」










「……お前は…幽霊か!何やねん、人の名前連呼しよって。」




「ゆ……、由良……。脅かさんといてや…。」




「こっちの方がびっくりやで。街灯の下に女のユーレイが一人うろうろと……。そしたら、お前やん。何しとったん?」



「………。アンタを探しとってん。」



「はあ?」



「アンタこそ、彼女と喧嘩したくらいでどこでいじけとったんよ!」



「……は?いじける?」



「せやから、香澄ちゃんと喧嘩してからアンタ姿消しとったやろ。」



「…………。」