それから、おもろいくらい、とんとん拍子に…
私は彼、阪本くんを知ることになる。
なぜなら…、
由良が、彼女の香澄ちゃんに…、阪本データを収集したからや。
そういや同じクラスって言うとったわ。
なんで奴があれこれ手を回すのかは知らんけど、
おかげで、数日後……
「「あ。」」
バッタリ廊下で阪本くんに出くわすと、こんなコトを……言われた。
「……この前の…」
「…そのせつはおおきにー。」
「……日向さん、だよね。」
「……!な、何で私の名前……。」
「小林に聞いた。」
「……ああ、香澄ちゃん?」
「そう。なんや、小林の彼氏と友達って聞いて……。仲ええんやて?心配しとったで、小林。」
「…………!」
「横恋慕はやめとき?」
「……ち…、ちっが~う!!」
……と、まあこんな感じでな。
恐らく最悪な印象を植え付けられておったん。
阪本くんも香澄ちゃんもなんや、勘違いも甚だしいわなぁ…。
一体ウチはどんなオンナやねん。
そやけど……、
それがきっかけで、会えばなんとなーく話するようになってな?
多分、誤解も解けたような気がするんよ。
なにせ、笑いかけてくれるよーになったしな。
ほんでな、これまた意外なことに……
その度に、心臓の音が…とかとかって鳴って苦しなりおる。
この感情は……
何やと思う?


