「…究極のマヌケ面やで。おまけに低い鼻がますます低なってる。これじゃあドーベルマンちゅーより、パグやな。」
「…………。ええやん。かわええやん、パグ。」
「………。可愛いっちゃあ可愛いけど…、誉めた気は一切ないで。」
「そうやろな、わかっとるわ。」
「…一応謝っとくけどな、いつものお前なら…、簡単に避けられたと思うんやけど。ぬぼ~っとしおって、怖いんじゃ。」
「……そやなあ……。」
「…アカン。素直やな。一体何があった?情緒不安定すぎや!生理か!」
「………。一週間前に終わったわ。」
「…答えんでええわ!」
「………?なんやの?プリプリして。」
「………言うたやろ、昨日。」
「……?」
「…悩みあるなら…、聞くくらいできるって。」
「………。悩みならちいと解消したで?」
「……?ホンマか?昨日の今日やで?」
「や、ホンマに。アンタのおかげかもしれん。ふふ…ふふふ…。」
「………。ホラーや、ホラー!日向がとうとう壊れた。すんませんっ、俺コイツんとこ保健室に連れてくんで。誰か試合代わりに入って。」
「……日向くん、ウチ一緒にいったるからええで?」
「アカン。トモダチやめとーなったら困るし、とり俺に任せといてや。」
「………。あは、そうか?ほな、お願いしますー。」
由良は私の腕を肩に回させて、
「……重いねん……。」
ずるずると…、私を引きずっていく。
「……。ちっこいからなあ。無理せんでええで?」
「あほう、冗談や。お前ごとき重ない。」
「痩せ我慢が痛々しいで…。」
「鼻の中にスイカ入れたろか。」
「……うわ…、風流やなぁ。」
口ではくそ生意気やけど。
前髪からのぞく眉が…吊り上がっているで。
一応本気で心配してくれとるんやろ……?
ホンマ……、
ええやっちゃ。
「これがサカモトやったらなあ……。」
「…ぁあ?喧嘩うっとんのか。夢ばっか見とるからお前はアカンねん。」
「……。由良さん、それがな、夢やないねん。」
「…はあ?」
「……いたんよ…、サカモトが…。」
「顔面打ってとうとうおかしなったか。」


