ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)









まだ真っ赤な空の下。




互いに別々の方へと歩んでいくけれど。





なんやろ……、背後が…さわさわするわ。





足を止めて…、くるり、と後ろへと振り返る。



元々ちっさい背中が、更に小さくなっていたけれど。




由良もまた…足を止めて。



こちらへと…振り返った。








「日向ー!!」



ちっこい体のどこから出るのか…、



大きな声。





「なに~?!」





「俺も好きやでーッ阪神!!」




……なんや、突然。





「そうかー!!」








由良は、ぶんぶんと無邪気に手を振って。



それから…走り出した。







「アレやな、『夕日に向かって走れーッ』の実写版?アホや、あいつ。青春ごっこしとるんかい。」




私はスマフォで…時間を確認する。




「……アカン…、ほんまやに始まるやん。……ウチも青春ごっこせなアカンのか……。」






私も、奴に負けじと…全力疾走する。




手に握ったままのスマフォには……




由良秋大の名前。





確かにそこに、由良の存在が……





刻まれとった。