ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)




「悩みあんなら、聞くことくらいできるで?」



「…………。」




「こう見えてもな、わりかし面倒みええんで、俺。実は器のデカい男やねん。」



「………。ナリはちっさいけどな?」



「余計なことは言わんでええ。ムード台なしやん。」



「…え。どこにそんなムードが?」



「アカンなぁ…、お前。見てみいや、空ばっかじゃなくて…視界全部がオレンジに染まっとる。すごい幻想的やと思わんのか。」







ああ…、確かに。



目の前のアンタも、


町並みも、



自分の足元でさえ……




見事なまでに、明るいコントラスト……。





「ほんまや。綺麗やなぁ……。」





「せやろ?」



「案外ロマンチストなんやな、自分。」



「………。いや、そーでもないけど。」



「そう?」



「……けど、人が嬉しそーな顔すんの見るのは、好きやねんな。」



真っ直ぐに私を見つめて…いししっと笑う。





「まあ……、そんな情感乏しい日向にとっておきの朗報がある。」



「……ナニ?」




「笑いとうなったら…、電話せい。お前のスマフォに俺の番号登録しとった。」




「……は?」




今……、何て?




「気色いねん、元気ないと。」



「………。」



「気が向いたらいつでもどーぞ。デッカイ船に乗ったつもりで…、せや、タイタ〇ックとか。」



「…一緒に沈没してくれちゃうんかい。」



「嘘うそ、冗談やって。」



「アンタじゃスワンボードだわ。」



「おう、足もっと動かして!…って、何でやねん。」






「……まあ…、でも。……ありがとな。」




「おう、感謝せい。……あ、もう行かな。」




「……ああ、彼女ほったらかしはアカンしな。」




「は?ちゃうちゃう、もうすぐナイター中継始まんねん。」



「………え。」



「阪神対巨人のドーム戦。」



「…ハッ…、そやった!帰らな!」



「…え。」


「ん?なに?」



「日向野球なんて見るんや?」



「……?生粋の阪神ファンやで。見なアカンやろ?」




「…………。そっか。……そーなんや…。」



「……?ナニ?」



「や。気ィ合うな思て。…ほんなら、気をつけて帰りや?」



「……?アンタこそ。」




「おう、じゃあな。」