ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)





「あーあ。今こなっちゃんの真後ろに座ったで。」



「マジか……。」








今度は、由良に気づかれぬようにと…


通路とは反対側の、窓の外を…見つめる。








……が、






「もうバレてんで。大口開けてポテト食う女なんてお前くらいやし。」



目の前のポテトをひょいっと口に運んで…、由良がニヤリと笑う。



「…………!」



「うま。ごっつぉーさん。お前ら…、デートの邪魔すんなよ?」




「…………。キモいこと言わんといて。ひいちゃん、小猿の恋愛ごっこなど見たくないからはよ店でよ。」



「……お前なあ……。」



由良は呆れ顔。



しゃーないやん、見たくないモンは見たくないし。




「ほな、邪魔者はたいさ~ん。精々振られんよーに努力せい。」



「ホンッマ可愛いないやっちゃ。言われんでも!」




お互いにプイッと顔を背けて。




「お待たせー。」



由良は彼女の元へと…駆け寄る。











店を出た私は、二人が座る席の辺りを通過する。



ふと気になって…、ガラス越しに…奴らの様子を、チラリと…見てみる。





「…………!」



脳天気に笑う由良の横顔。


「……おっと…。」



不機嫌そうにこっちを見るチワワの視線が…私の視線とぶつかった。



思わず私は…顔を背ける。



「……。こなっちゃん、気ぃつけや?ありゃあジェラシーやね。」



「…はあ?」




「自分の彼氏が他の女と仲良くしとったら…そりゃあヤキモチやくねん。」



「…………。」




「こなっちゃんにはまだわからんか。まあ、いずれわかるやろ。焦らず、焦らず……。」





ひいちゃんにポンッと肩を叩かれるも、私には全く理解不能なおハナシで。




だけど……、



ひとつだけ。




由良のあの気持ち悪いくらいに優しい笑顔が…




頭にしっかりとこびりついて、離れんかった。