割れんばかりの歓喜の声。 ベースを踏んで走る藤浪先輩は、時折目元を拭いながら…… 最後に、両足で…ホームベースを踏む。 奇跡の……、同点アーチ。 スタンドは勝利を得たかのように沸き立って……、 声を上げて…抱き合う子、はしゃぐ男子。 その中で…………。 ここにも、 ちゃっかり抱き合う… 男女が。 「「…………。」」 いえ、ちゃっかりちゃうんです、 うっかりなんです。 だって、『うっかり』にしとった方が…… 可愛げあるやろ?