試合は……9回裏。
8回表に単独ホームランを打たれ、得点は…1点のビハインド。
「最終回や!気合いいれてくで~ッッ!!」
うおお~っと低音でうねり声を上げるのは……
野球部の面々。
中には……
ベンチに入れんかった3年生もいてる。
もしここで負けてしまえば……、
彼らの夏は……
終わる。
青春の、すべてを賭けた……
熱い熱い戦いは、終わりを告げる………。
戦う舞台は違えど、汗を流して、必死になる時は……
ここにいる、誰にでも……あるのだろうか。
負けたくないと由良は言う。
歯ぁくいしばって…頑張ってる。
私は……、そんな由良を、ずっと見ていたいと…思う。
うらやましいとさえ……思う。
ちっこくても……デカイねん、あの男は。
まっすぐまっすぐ……ぶつかってくる。
私も、そんな風に…ぶつかってみたい。
由良の弾けるような笑顔に負けんくらいの…
あっつい情熱で、何かに…立ち向かってみたい。
なあ……、由良。
アンタならそれを……
受け止めてくれる?


