7回裏……。
ボルテージは一気に上がっていく。
2アウト、ランナー2塁3塁。
カウント、2ボウル1ストライク。
バッターは……、4番、豊田くん。
タオルをくるくる回しながらの…睡蓮花。
「ト·ヨ·ダ!ト·ヨ·ダ♪」
キィン…
豊田くんの打球は、サード前のラインを越えて……
……ファウル。
ほうっと、スタンドからは…息が漏れた。
「あいつなあ、元チームメイトやねん。」
「そうなん?」
「プレッシャーに弱いけど、女の声援には…敏感やねん。日向、お前お得意の遠吠え上げてみい?」
「ええ…っ?」
「えーから、ピッチャーが振りかぶったら…、あ、今や!」
「豊田くぅ~~ん!!打ってぇぇ!!!」
カッキ~ン………!!!!
「「………。マジで?」」
打球はぐんぐん伸びて……ぐんぐん伸びて……。
だけど、既にコースへと走ってきたセンターが……
身構えている。
………ぽとり。
センターのグローブから……
球が落ちる。
「「エラーや!!走れ~!!」」
3塁コーチがぐるぐると腕を回し、ランナーが…ホームへと走る。
その間に、ビュウウンっとセンターから……
レーザービ~~ム!!
ランナーは滑りこみ、キャッチャーはミットをその足元へとやって……
もうもうと…砂埃が上がる。
「「……セーフやろ……?」」
由良と二人。願うように手を組むけれど……。
主審は、高く拳を…突き上げた。
「「……アウトや…。」」
ガックリと皆……、肩を落とす。
「あのセンター、シニアでも有名な強肩やったなあ……。」
「………。さよか。ウチの『狂犬』の負けやなあ。」
「…ははっ、バーカ。俺ならあの応援でホームランやで。」
じわじわと……
攻撃してくんねんな、由良………。
「………。…別れたん?阪本と……。」
「………うん。」
「何でや?」
「……………。」
「……言わんのかい。」
「だって。……そしたら……どうなんの?」
「………。なるよ~に、なる。」


