応援席……。
私の右隣りは、アキラ。
それから、すぐ左隣りの階段に……
学ランを着た、由良……。
由良は……、何も言ってこない。
「次、六番、寒河江!TRAIN行くで~!」
それよりも。
とにかく、応援で…忙しい。
「栄光に向かって走る~♪」
由良の声に続いて、生徒達が…歌い始める。
2回裏の攻撃……。
優勝候補の一角を担う敵チームのスタンドの応援は……ハンパなかった。
応援団にチア。どでかいメガホンに、お揃いの帽子………。
そう……、圧倒されてる場合や…なかとです。
それにしても。
このあっつい中で学ランなど着て……
大丈夫なんやろか。
カキィ~ン……!
バットの快音が……響く。
6番、寒河江くん。1アウトからの……センター前ヒット!!!
「「出たあ~、初ヒット!!」」
きゃああっと歓喜の声を上げて。
お隣りさんに…抱き着く。
野球は友をよぶ!
…………って、
「「……………!!!」」
うっかり。
由良やないかぁああ~!!
「ごごご、ごめん。」
「いや…。」
お互いの腕は…掴んだまま。
パーパーパ~パッパパ~パパ~、
ドンドン☆
ラッパと太鼓の音に…
ようやく、我に返る。
慌ててメガホンを掲げると……思い切り、叩いた。
「小夏、小夏ぅ~。」
反対隣りのアキラが、こそっと耳打ちしてくる。
「もっとイチャこいでええんやで☆」
「………。なんでやね~ん!!」
すぱこ~ん、と。
頭を叩いてやった。


