バスから降りると、むわっと…一気に熱が襲いかかってきた。
今日は……、快晴。
おまけに、湿度も高いのか。
球場に向かう途中で既に…汗が流れ落ちた。
前を歩く由良は、肩にクーラーボックスを抱えて…
サクサクと進んで行く。
「………。はりきっとんなあ……。」
球場前で、全校生徒が整列し…、簡単に説明を受けると、クラス毎順番に……応援席のゲートへ向かう階段を上って行った。
その途中で……
「「あ……。」」
バッタリ……
阪本くんに出くわす。
「………。久しぶりやな。」
「そやな…。阪本くん、実家から来たん?」
「ん。決勝とかなかなか来れるもんやないし、おかんに学校まで送って貰ったん。」
「……そうなんや。」
「「……………。」」
「……日向さん、俺に…何か言うことない?」
「…………。…うん。」
「結構傷ついたんやで。あの日…、誕生日やったんやろ?」
「…………。」
「…言うてくれれば、例え日向さんが他の奴らと約束してても…俺が一緒にいたのに。」
「………ごめん。」
「……で?…由良も小林と別れたそうやん。上手くまとまったんやろ?」
「……へ?」
「あん時…、由良めちゃくちゃ俺にキレとったんやで。小林置いて行っちゃうし……。」
「…………。」
「どんだけ必死やねん、て感じ。だから……、もう決定やな思て、俺からは連絡せんかった。わざわざ振られんのも…嫌やったしな。」
「……阪本くん。」
「もっと早く気づけっちゅーねん。」
「…………。」
「俺は、わろてる日向さんが好きやってん。でも…、あんな笑顔は、奴でないと引き出せない。」
「……それは……」
「否定、できる?」
「…………。………できん……。」
「往生際悪いから、俺からは別れたらないで。」
「………。」
「俺からは…、な。」
「……………。」
応援席へと誘導されて……
生徒達は、バラバラに散っていく。
ウチら二人は……
通路に立ったまま、互いをじっと……見つめる。


