あれから私は暫く歩に尽くしてきた。 …いや、媚びてきた、の方が正しいかもしれない。 昼もできるだけ一緒に食べ、帰りも共に。 彼の目から見たらきっと私は甘えん坊の可愛い子だったと思うわ。 北村君に聞いた歩の好みを活用もしたしね。 演技にも大分慣れて、疲れなくなった頃、内海君からの次のプランが説明された。 「この前俺、片桐君の話してるのを聞いたよ」 「へぇ、なんて?」 「随分、君に惚れているようだったよ」