あれから歩はあんまり、女の子と話さなくなった。 私の言葉が少しは理解できたみたい。 …ま、話すくらいは別に構わないけど。 「薫!今日一緒に帰れない!ごめん」 「分かったわ」 歩が手を顔の前で合わせながら謝った。 調度良い、私も図書室に行きたかったし。 放課後、楽しそうに教室を去る歩は男女5人ぐらいでいた。 合コン…なんて頭を掠めたけど、私は変な妄想で疑うのが嫌いだからさして気にしなかった。