「ねぇ、歩ぅ。今日家行って良いんだよねぇ?」 あ、どうも。 私、篠原薫と言います。 誤解してたら、ご免なさい。 さっき言ったのは私じゃないわ。 あんな下品な声、出ないもの。 「あー…良いよー。きて」 良いんだ。へぇ… 私にチラリと目を向けながら承諾した男、片桐歩は一応、私の彼氏。 私の席は一番後ろで、全てが視界に入るからたちが悪い。