─SIDE 涙.Rui─


とうとうこの日がやってきた。

今日は予定通り手術をすることになった。

このことは前から決まっていたけど誰にも言わなかった。

もちろん、時耶くんにも。

時耶くんに伝えたのは昨日だ。

そして、その時一緒に手紙も渡した。

空希宛の手紙。

私の手術が終わったら渡して欲しい、と伝えた。

指輪もそのとき空希に返しておいて欲しいと伝えた。


「え、手術が終われば涙ちゃんが持っていればいいんじゃないの?」


指輪に関しては時耶くんはそう言った。

でも私は首を横にしか振らなかった。


「いいの、空希と復縁するつもりはないよ。私の一生片想いでいいの」


そう言って私は笑った。