「ルイ!」
ある部屋の中、ベッドに眠る1人の女性が、声を上げて名を呼んだ…
勢い良く状態をお越し、荒い息を整えながら、辺りを見回す…
夢にでもうなされていたのだろうか…?
彼女の澄んだ瞳には、涙が滲み、一粒の雫が頬を伝った…
「ルイ…」
彼女は、虚ろな瞳を遠くに向け、彼の名をもう一度呟く…
壁にかかった小さな時計が、時刻を示す…
只今の時間…午前、8時…
朝だというのに、この部屋は、光1つ差し込む事もなく、暗闇が占領していた…
光が届かないという訳ではない…
光を遮っているという訳ではない…
なのに、光が入ってこない…
まるで、夢に見た、あの暗闇にいるような…
怖い…
怖い…
あの夢が、現実だったようで…
本当に、ルイに置いて行かれるんじゃないかって…
全てが、怖い…
カリンは、自分の体を抱きしめ、恐怖に耐える…
そんな彼女の頭の中へ、不思議な声が伝って行った…
『離れたくないんだ…』
「!だ、誰…?」
暗闇の部屋を見回すカリン…
だが、この部屋には、彼女1人しかいない…
不思議な声は続ける…
『あたしがその願い、叶えてやるよ。』
「え…?」
『あんたとあの男を、一緒にいさせてあげるって言ってんだ。』
「一緒…に…?」
グッと胸の前に手を握って、不思議な、誰かもわからないその声に聞き返す。
『あぁ。ずっと、ずっと一緒にいさせてやる。』
「でも……」
『大丈夫だよ。』
戸惑うカリンを安心させるように囁く不思議な声…
その声に安心したのか、伏せていた目を上げた…
「どう、したら…?」
『体を、委ねればいい。』
「委ねれる?」
『あぁ………眠れ!』
「!?」
その声と同時に、カリンの澄んだ瞳が、一瞬緑色に光る…
そして、ガクッとうなだれると…
『フフ……フハハハハッ……』
高らかに笑うカリン…
その瞳は緑色に光っていて…
まるで、別人のようだった…

