「おまたせー!」




笑顔で走ってくる朱莉。




危なっかしいやつ…





そう思っていたら



案の定、勢いのままにこけそうになる





「おっと…」




慌てて朱莉を受け止める




「うわぁ、危なかったー!ありがと、晴樹」



そう言って朱莉は笑顔を見せるけど

俺はそれどころじゃない




そのまま朱莉の手を

しっかりと握って無言で歩き出す





「…晴樹怒った?」


「怒った」


「えっ!なんで?」




なんで、ってなんでだ!



心当たりがあるから

聞いたんじゃないんかい!




「お前、本当危なっかしい。
俺がいないとこでこけてないか心配だわ」


「え、じゃあ…ごめん、かな?」




なんだそれ…笑





朱莉は根っからの天然で


更に無自覚。




それに心配なのは

ケガだけじゃない…




朱莉は自分がモテるってことも無自覚。





平均身長よりも低い小柄な体型


ぱっちりと大きい目


人形のように長いまつ毛


日焼けしてない真っ白な肌


それに加えて優しい性格




こんなの男がほっとくわけがない。




実際、俺がそうだった。