手摺に寄りかかって、脇から眼下の校庭を見ると、

下校する生徒が身を縮めて、裸になった桜の下をすりぬけて行く。

「花も、葉もないと、丸見えだ…。」

とか何とか、去年も思った。一昨年も思ったな。

でも来年は思わない。

この桜が咲くのも、4度目は見れないんだろう。

そう思うとなんか不思議だ。

卒業して、ここを去るという確定事項、

そのリアルが、やけに遠い…。








トン、トン、トン、と、


聞きなれた2つ分の足音がして、俺は少し緊張した。