眠っちゃって、すみませんでした。
ご馳走さまでした。
週明けからは、品物、早めにください、と。
抑揚無く、素っ気なくなっちゃったけど。
いくらなんでも、愛想良くなんか、出来ない。
定演の日、ついてきたのは間違いなく、この人で。
この人は、間違いなく、私に良からぬ事を働いた。
さあ。
どうしよう。
帰って、婿様に相談しようか。
婿様は、どうするだろう。
哲には、言わなきゃならない?
…駄目だ。
きっと、2人とも、狭山工販に苦情を言いたいけど言えない、っていうジレンマに陥るに決まってる。
言わない方がいい…。
私が、気をつけよう。
私が…気を、つけよう。
「ちょっ…待ってよ!送ってくし!」
「いらない!」
あ…つい素で叫んじゃった。
でも、この位…いいよね…?
「…タクシー拾った方がマシです」
ああ…これじゃあ“気が付かなかった”事に、ならないじゃないか私…。

