もう、ちょっと…ほんと限界。
寒い。
痛むからしたくない咳も、耐える余裕もなく込み上げる。
私は胸を押さえて、ゆっくり息を吐き出してから。
眼球溶けそう、なんて感じながら、まぶたを閉じた。
目が熱くて。
でも、指先は冷たくて、寒い。
「ごめんなさい、ちょっと、ほんと具合悪いんで…目、閉じてて良いですか?」
酔いそう、と呟けば、ようやく。
熱でもあるの?
ごめんね気が付かなくて。
目、閉じてていいよ。
と、色々突っ込みたくなるような事を、言った。
良かった。
目閉じたら少し楽な気がする。
これで黙っててくれたら、もっと楽なんだけど、な…。
哲。
私、今日、夕ご飯作れないかも。
ごめんね、なんとかしてね。

