【続】朝の旋律、CHOCOLATE



そういえば。

「私…、ご飯行くなんて思ってなかったから…300円しか…ないです…」


仕事中はいつも、少しお金を入れたポーチを携帯している。

この前、おやつ買っちゃったから、今日は300円とちょっとしか入っていない。


……や、だって…家、目の前だし…。
お昼には帰る予定だったし。



「え!? 300円!?」

普段、なに食べてるの!? なんて。

そんなんじゃ缶コーヒーも買えないじゃないか、なんて。


どうしてそんなに嬉しそうなんだろう。

缶コーヒーは120円だもん…買えるもん…。



「あ、ここはちゃんと俺が出すし!心配しないで」

私の意見は聞く素振りも見せずに、自分のお薦めのみを注文した彼は。

急に激しく咳込んだ私を、ようやく少し、心配そうに、見やって。


大丈夫?
と。

訊いた。