【続】朝の旋律、CHOCOLATE



困った、な。

確かに今日は少ししか仕事もしていないから、仕事着も顔も、真っ黒ではないけれど。

どこかに食事に行くのは…ちょっと…嫌かも知れない。

行けて、近所のラーメン屋さんか、コンビニがいいところ。



「…狭山工販さん……」

あまり離れないで、うちの近所じゃ駄目ですか?



「ほらまた!名前で呼んでよ」

「……………名前…」


こんなにも呼びたくない、と思った事はないくらいなのに。

どうしても呼べと仰るか。



「……狭山さん、近所じゃ…」

「名前!」

「……狭山久志さん、近所…」

「着いたよ!」




…チクショウ!
なんだこの敗北感と疲労感!!



ようやく車を停めた狭山工販の跡取り息子は、何が嬉しいのか、にこにこして。

ここのピザが旨いんだ、と。



朝のシリアルすら食べにくかった私に、やたら重たい昼食を、提案した。




…チョーいらねぇぇぇ…