仕事着だから、どこにも行けない、とか。
今日は休みではなく、皆は配達に出ているだけだ、とか。
はたまた、すっぴんで食事には行きたくない、とまで。
色々言ってみたけれど。
彼は、止まらない。
車を、停めない。
「具合…悪い……んです!!」
ついに、小さくキレたように叫んでみたけれど、彼は。
もう少しで着くから、と。
そう、笑っただけだった。
信じられない。
人って、こうまで我が儘になれるものなの?
私は携帯を手に取って、哲か婿様に連絡を取るかどうか、躊躇した。
…もしかしたら、一緒に食事をしたら、気が済むかも知れない。
…よね?
確かに、ちょっと気持ちの悪い状況だけれども、少し付き合えば、ちゃんと帰してくれるかも知れない………よね。

