「蜜、ミルクティ、新商品出てた」
結局、コンビニにしたのか、戻って来た哲は。
かの人に会釈だけすると、私の旋盤の上に、ミルクティの缶を置いた。
先に置かれていた小さな花束と、私とを見比べて、唇だけで呆れたように、笑う。
「ありがとう」
哲は、コンビニの袋も置いて、仕上がった品物を組み直し、元の箱に戻してくれる。
せっかく、手洗ったのに、ごめんね、ありがとね。
狭山工販さん、お待たせしました、と。
声をかけた。
時間は、哲の見立て通り、4時間。
正確には、3時間48分。
「…ああ!もう出来たの?」
……も…もう出来たの…ってあんた………。
「さすが蜜さん!!やる気になれば早く出来るじゃん!」
…この人………真面目に言ってるのかな…。
前々から、変な人だとは思ってたけど……。
…配達途中で、信号全部、つかまっちゃえばいいのに…。
…お財布に1円足りなくて、もの買えなきゃいいのに。

