「…………む…むり…」
助かるよ!
蜜さんよろしく!
とか。
ひとりで押し込めるように喋った、かの人は、私の腕に抱えた品物の上に、チョコレート菓子をひとつ置くと。
じゃあ12時半回った頃!蜜さん居てくれて良かったぁ!
なんて。
捨て台詞にしか聞こえなかったけれど。
いなくなった。
「……………やるか」
段取り、組み直しだな、と。
哲は、私の腕から荷物を引き取ると、チョコレート菓子の箱だけを、私に寄越した。
「…バカ息子め…………」
どうせまた、納期あると思って手元に置いたままだったろ!
加工出し忘れて、今朝気が付いたってとこだろ!?
中間マージンで食ってる癖に、致命的なミスばかりしてんじゃねぇ!!!!
そこまでを、そこそこの大声で叫んだ私は。
苦笑する哲の手から、再び荷物を取り上げた。
ヤツは基本的に、私の顧客だ。
私がなんとか、しないと。
哲には哲の分が、ある。
それだって、急かされてるのに。

