ああ…着信拒否しておけば良かった、かな。
ようやく受けた私の耳に、いきなり聞こえてきたのは、甘ったるくも獣のような…。
強い怒りを滲ませた、声。
『…真也はどこですか?』
「……さぁ」
『“さぁ”?…もう一週間も連絡が取れないの。あなた、知ってますよね?』
私は。
何も知らない。
真ちゃんが、どんな仕事してるのかだって、よく知らないくらいなのに。
あたかも私が、真ちゃんを匿っているかのように言われたって、知らないもんは知らない。
エレンさんは、真ちゃんは仕事に行った、と言っていたけれど。
もしかして、違う、のかな。
「………私、知りませんから」
前にもお伝えしたとおり。
私、彼のこと、彼氏の友達、という以上の事は、知りません。

