もう駄目だ。
着信、鳴りすぎだ。
エレンさんも、気にしている。
真也は小さい頃、私の作ったレモンのマーマレードが好きだったけど、今でも食べてるのねぇ。
昨日、トーストに乗せてくれたのが、嬉しかったわ。
みたいな、そんな話のあとに鳴り出した着信に苦笑して。
よっぽど大事な用なのね、と。
電話をする素振りを、した。
つーかそのレモンのマーマレード…多分、私の作ったやつだ。
“おばあちゃんの味”を私に求めるな、真ちゃんめ。
私は、エレンさんに謝ってから席を立つ。
真ちゃんの彼女だか…元彼女だか、よく知らないひとの電話を、一体なんの用があるんだ、と憤りながら。
受けた。

