「…昨日いましたよね、って言っていいと思う?」
「…ぃや…人違いかも知れないよな」
「…だよね」
もしかしたら、急ぎの仕事かも知れないし。
雇われの身で、朝から言いがかりつける訳にも…いかない。
冗談を言い合う仲でもない事が、とりあえず黙っておこう、という結果に繋がった。
「おはようございまーす」
当たり障りなく、挨拶をして、素通り。
かの人は、ニコニコとしながら車から降りると、工場に入ろうとした私達を、止めた。
「悪いんだけどコレ!昼に引き取りたいんだ!」
昼っ!?
ごく普通に、仕事の話だったことに安心しながら振り向いた私に、手渡される、小さな箱の詰まった段ボール箱。
うわ、面倒そうな予感…!
「昼…ですか……?」
哲が、ひとつ取り上げて、中身と伝票を確認した。

