【続】朝の旋律、CHOCOLATE



音楽は。
今日はお腹いっぱい。

出掛ける前に沸かしたバスタブに浸かって。

ちょっとうっかり寝そうになったけれど。

さっぱりホカホカになって部屋に戻れば。

哲の、メール。



今日の蜜は、特に綺麗でした。

と。


ご丁寧に句読点まで使った、甘いような、可笑しいような、メール。


だから私も。

今日の哲は、特に場違いでした。
と。

返信した。



ベッドの、枕側の壁が。
ドンっ、と抗議の音を立てる。

壁を挟んで、哲はすぐそこにいる。


場違いだったけど、かっこいいと思ったよ。


言えないけど。



そんな、甘いような。
可笑しいような。

幸せな空気、だったのに。



翌朝、一緒に職場に降りていった私達の前に。

まだ、こんなに早い時間なのに。

昨夜の、狭山工販の息子の車が、工場の前に、停まっていた。