【続】朝の旋律、CHOCOLATE



「……言ったら…行かない?」

「…………」



真ちゃんは。

いつもみたいに噛み付かないばかりか、ますます深刻そうな声になってしまった私のセリフに。

一瞬、目の奥を揺らした。


何かを言いかけて、唇を閉じた真ちゃんはもしかしたら。

怒った、のかも知れない。




「…なんで怒るの」

「……怒ってないョ?」

「…なんで嘘つくの」

「……ついてませんー」



私は、ちらりと哲を見る。

赤い髪をした執事が、老婦人を敬い、労るかのような、ささやかな笑顔はやっぱり綺麗で。


私はそのまま、再び真ちゃんと目を合わせた。




「……私が…彼女のふりをしなかったから…何にも教えてくれない、の?」


何にも教えてくれないまま、イギリス行っちゃうの?

私はともかく、哲にも。
何にも言わない…まま?



…そんな、の。
そんなの…。



……すっごぃ嫌なんだけど!?