ねぇ真ちゃん。
ん~?
…イギリス行っちゃう?
……………。
エレンさんから離れる事、20m。
哲に、あれこれ靴を選ばせながら、いくつも履いては楽しげな様子を見せているエレンさんには聞こえない、距離。
「なに、さみしーの?」
訊いた私をからかうように、わざとらしく顔を覗き込んだ真ちゃんから、目を逸らした。
「………うん」
「……………………」
あ。
まずい。
もう少し軽く言うつもりだったのに。
行かないよ、って。
言って欲しかったのに。
寂しいの?なんて。
まるで行く事が決まったみたいな言い方に、つい、本気で寂しくなっちゃったじゃないか。
「…もう一声!」
「え?」
「“真ちゃんいないと寂しくて死んじゃう”って言ってみ?」
……え。
…………えぇ~…?

