「コーヒーの味はわかんの?」
「ううん。でも匂いするからコーヒーなのは判る」
「……ふぅん…治んの?」
「…治るよ」
多分。
真ちゃんは、時計をちらりと見て、ああ、時間ねぇ、と苦笑してから。
しらす干しと桜エビ、茹で刻んだオクラと、すり下ろした大和芋と温泉卵を乗せた、私特製の朝どんぶりを、ザクザクと食べて。
やっぱダシ利いてるものは旨いよなぁ、なんて。
慌ただしく、味噌汁を、飲み干した。
私と哲とは、あんまりすっきりと元気な真ちゃんに、昨日の話に触れることが出来ないまま、なんとなく。
じゃあ、また、と出て行く真ちゃんを、見送った。
「…………哲」
「……」
「………なんで止めてくれないの!」
真ちゃん、もう来ないじゃん!歯ブラシ捨てちゃったじゃん!
なんかすごく、振られた気分だよ!!

