「リコーダーのテスト、どうだった?」
哲は、私の分を喋る。
「あ、うん!音楽の先生は爆笑するし、クラスのみんなはびっくりしてたよ!」
A+貰っちゃった!
ぱっ、と明るくなった顔に、私まで嬉しくなった。
つーか、音楽教師め。
何故笑う。
「良かっ、た、ねぇ」
音楽は楽しくないとね。
聴くのも、演るのも。
16ビートの「春」なんか、きっと誰も演らなかったでしょう?
「蜜ちゃんありがとね!…あと……お箸ケース…も…」
あ、そうそう。
大丈夫だった?汚れてない?
「蜜ちゃん……ごめんなさい…。私が…早く欲しいなんてメールしたから……」
え?…いや、何言っ……
…………あああああッ!?
…血だらけじゃないかぁぁ!!!!
ちょっ…姫様駄目だよ!! そんなのあげられない!
作り直すから!
すぐ作り直すから!
「鈴ちゃんがしょんぼりする事ないよ。ほら、蜜元気だし」
姫様の、半べその顔を覗き込んで、その頭を撫でながら苦笑した哲の手から。
半分以上が血で汚れ、模様も解らなくなっているそれを、慌てて、引ったくった。

