私が部屋に帰って、すぐ。
婿姫様が、神妙な顔で、来てくれた。
赤ずきんちゃんが手に持つような、布の掛かったバスケットを持って。
ひどく喋りにくい私は、笑顔も作りにくかったけれど。
代わりに哲が、喋ってくれたし、笑んでくれる。
「……ゼリーなら…食べれるかもって…思っ……」
婿姫様は、いまだかつて見たことの無いほど、思い詰めた顔で、私にバスケットを差し出した。
………チョー可愛い。
「あ、りがと」
「鈴ちゃん、ケーキ食べてって。昨日買ったんだけど…ナッツとか多分…蜜食えないから」
にこり、と。
哲は唇のピアスを光らせて。
泣きそうな婿姫様を、私の部屋へと招き入れた。

