ツルピカの弁護士さんは、色々な手続きを手早くやっていてくれたけど。
間に合いはしなかった。
内容証明のついた書類が警察の手元に行く前に私は襲われて。
哲は、怪我をした。
哲の心情は、よく解らない。
怪我についても、狭山久志についても、何も言わない。
ただ、私が恥ずかしいくらいに、ずっと、ずっと付いていてくれる。
退院手続きの時も、湿布を貰うときも。
うちに帰るときも、帰ってからも。
オフだったのか、実習ではなく授業だったのか、私服で現れた学生くんは。
二度と来ないで下さい、なんて酷いことを言ったけれど。
…………味覚障害でまた検診行くもん。
「て、つ」
私の口の中は、ゴツゴツしていて。
唇も。
噛まれた痕が、まだかさぶたにもなっていない。
「……ごめん、ね」
こんなんじゃ、キスできない。
なんだかもう、二度と出来ない気が…する。

