哲、哲、と。
ずっと、呼んでいた気がする。
哲は、どうしたんだろう。
さっきまで、いたような気がするんだけど。
さっきまで………えっと…
…うち、に。
……子供…が出来たから、私とは居られない、んだっけ?
あれ?
それは…私?
小さい女の子と、もっと小さい男の子と。
4匹の、子犬。
たくさんの、花…と。
ライブハウス?
トランペットと。
…旋盤。
ばっちりと化粧をした、髪の長い、女のひと。
“家庭のある人に手を出して、恥ずかしくないの?”
“ごめんね、騙すつもりじゃなかったんだけど”
“あなたに、この子たちの人生をめちゃくちゃにする権利があるの?”
“もう、愛情はないんだ、本当に
好きなのは…蜜だけだから”
“私?
哲也さんの子の、母親です”

