哲…
ひどいよ…!
なんで哲が来てくれないの…!
「哲の馬鹿っ!!」
「………」
飛び込むように戻って来た工場の奥で。
私は半泣きで、哲に詰め寄ろうとして、はたと足を止めた。
「こんにちは」
「…あ……こんにち…は」
やべぇ。
弁護士さんだ。
偉い人だ…。
………眉下がりのツルピカさんだけど…。
「す…すみません、遅くなりました」
哲!あとで訊きたいことが!!
根元縛るとどうなるのとか!!
…意味わかんねぇけど…めんどくさい匂いがするから訊かないでください。
いいから訊かれて!
……はいはい。
こそこそとつつき合うように言い合った私達を。
ツルピカな弁護士さんは、穏やかに笑いながら見つめて、テーブルに置かれたお茶を、飲んだ。
「操緒さんから、あらかた聞きました。今、佐伯さんからも」
大変でしたね、と、下がった眉をますます下げた弁護士さんは。
具体的に打てる手を、打ちましょう、と。
私にはよくわからない書類を何枚か、取り出した。

