【続】朝の旋律、CHOCOLATE



身体が…。

…重い。
重すぎる、十万石饅頭…。


なんて、埼玉県人だった私にしか判らないような、独り言を言いながら作った朝ご飯は。

千切りキャベツに、千切りニンジン。
千切りキュウリを混ぜたサラダと、目玉焼き。

カリカリに焼いたベーコンと、溶けたチェダーチーズの乗った、焼きトマト。

哲にはそれに、パンと、干した玉ねぎのスープを添える。



朝の食事を一緒にとるのは、とても好き。

今日もよろしくね、って。

とても前向きに、元気になれる。



問題は。

…私の味覚が、なくなったままな気がする、こと。




「……ちゃんと美味しい?」

「うん、うまいよ?」


いつもの、会話…だけれども。

ちょっと変な訊き方をしちゃったかも知れない。



「…まだ食欲、ないか?」


どうしたものか、と箸を止めた私を気遣ってくれる、哲には。

ちゃんと…言った方が……いい、かも知れない、よね。