忘れ、てもいいけど…
覚えてても、構わないかな…。
構わない、よね?
私は。
生々しい気もする、そんな話が恥ずかしくて。
本当は、そうなったらきっと幸せに違いない、と思う…んだけれども。
ちょっと、怖い。
4匹も赤ちゃんを産んだキラちゃんに、畏敬の念すら抱く。
「………ああっ!」
キラちゃんと言えば真ちゃん!
一瞬忘れてたけど、真ちゃんいるんだったよ!
ずっと外に置いたままだよ!
「……真也来たのかぁ……あいつも、なぁ………」
なんだよ哲!
どうした!
何へこたれてんの!
真ちゃんは真ちゃんだよ!
遼は遼だし!
婿様は髭で、団長も髭だ!!
何がそんなに気になるのっ!
早く帰らないと可哀想だよ!
「………あーやだやだ。蜜がもっと、全体的に不細工で、もう少し賢くなればいいのに」
「……え…ぶ…不細工…?」
……そんな要望…聞いたこと無いぞ…。
哲は。
強く短く、息を吐き出すと。
ちらりと私を見下ろして。
ふてくされたように。
…真也に揺れたろ、と。
疑問系でもなく、呟いた。

