あぁ…私、キラちゃんにまで心配かけちゃったんだ。

基本的に甘えっ子で、真ちゃんの膝に無理やり抱かれようと乗っかっては、もう重いしデカいし無理だよ、と笑われるくらいのキラちゃんにまで。



寄り添うように傍にある、人より高い体温。


犬の目って。
すごく表情がある。

笑うし怒るし、困るし悲しむ。



今は、明らかに。


「キラちゃん……私を子犬と一緒だと…思ってるね…?」




…チョー賢い、んだけど…。

私、チョー切ないよキラちゃん…。




追い討ちかのように、哲に髪を撫でられて私は。

キラちゃんの首を抱きしめて、動悸が治まるまで、じっと、泣きたくなるのを、我慢した。




「あれ…寝ちゃった?」

「あー、哲もう動けないな」



寝てないよ、でももう少し、なんて思いながら私は、きっと。

まだ動き回っている子犬の気配を顔の傍に感じながら、うとうとと、まどろんでいたに違いなかった。