「ついで」
「やっ………ちょっ…ついでって…!!!…せせ…狭い狭い!」
いや、狭いとかじゃなくて!
急にどうしたんだ哲!
湯船に無理やり割り込んで来た哲に、私は出るに出れなくて。
っていうか私………誰かとお風呂に入るなんて、修学旅行以来だよ!!
「…なんとなく…たまには」
「…あっち向…っ!!!…ああぁ足を開くなああッ!」
勿体無いくらいにお湯を溢れさせた哲は、すっかり湯船に浸かり、狭いものだから伸ばせない足を、両サイドから私の体に、絡ませた。
……駄目だ…私、鼻血出る。
こんなの、…ひどい。
乙女の入浴を何だと思って…!
そ…そんな…鎖骨とか筋肉とか鎖骨とか鎖骨とか蝶のタトゥーとか!!!
鎖骨とかピアスとか鎖骨とか!
…ひどいよ!
殺す気か!!!
“史上初!! 美人旋盤工、風呂場で萌死!!”
って週刊誌に書かれちゃうよ!!
「…そういや…週刊誌って、美人なんたら、って必ず書くよな。何でだろな」
……し…知るか!!!!!
…い…いいから…もう…
出てってよぅ…!!

